「え!? 知らなかった!」というご意見が多いようですが、
何がどう変わるのか解説してみましょう。
・なぜマークを改定するの?
今まで日本国内では独自に定めた旧JIS規格に準じて表示されていましたが、
近年のグローバル化に伴い国際規格(ISO)に準じたものにしようという試みです。
それにより旧22種から41種に増え、よりきめ細かいケアが出来るようになります。
・実際にどう変わるの?
新しいマークの全てにおいて“日本語表記”がなくなります。
ひと目で分かる従来のマークと比べて最初は戸惑うかもしれませんが、
マークには一定の法則があるので、一度覚えてしまえばそれほど難しくありません。
慣れ親しんだ洗濯機のマークがなくなり、洗い桶のようなマークに変わります。
絵的に手洗いのマークと勘違いしそうですが、“洗濯機で洗える”というマークです。
マークの中にある数字は洗濯液の上限温度を示します。
左:従来のマーク 右:新しいマーク 意味:液温40℃までを限度とした“洗濯機洗い”ができる |
手洗いの場合や、家庭での洗濯ができない場合は以下の表示となります。
左:液温40℃を限度とした手洗い可 右:家庭での洗濯不可 |
洗い方の強さを指示するマークは従来の漢字表記ではなく、
マークの下にある“ヨコ線”の数によって表記されます。
ヨコ線の数が多いほど“より弱く洗う”という指示になります。
左:従来のマーク 中央:新マークの弱い洗濯機洗い 右:さらに弱い洗濯機洗い |
・酸素系漂白剤のマークが追加
漂白剤の使用を指示するマークが三角形に変わります。
従来のマークでは塩素系漂白剤についての表示しかありませんでしたが、
新たに酸素系漂白剤のマークが追加されます。
左:従来の 矢印右:塩素系/ 中央:酸素系の 右:漂白剤の
マーク 酸素系漂白が可 漂白のみ可 使用不可
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・一番分かりづらい?自然乾燥のマークについて
自然乾燥のマークは従来の服を型取ったものから
四角形の中に線を組み合わせた複雑なマークに変わります。
タテ線なら“つり干し”、ヨコ線なら“平干し”を意味します。
線が2本あったら“ぬれ干し”、斜め線があったら“陰干し”と覚えましょう。
※ ぬれ干し:脱水をしない(絞らない)状態で干します。
従来のマーク 新しいマーク |
・タンブル乾燥のマークが追加
近年、タンブル乾燥機を使用するご家庭が増えてきました。
それに伴い、新たにタンブル乾燥を指示するマークが追加されます。
乾燥温度は点(・)の数によって表記されます。
左:低温(上限60℃)での 中央:高温(上限80℃)での 右:タンブル乾燥不可
タンブル乾燥 可 タンブル乾燥 可
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・アイロンがけのマークについて
従来は高/中/低の漢字で温度を表記していましたが、
新しいマークでは点(・)の数によってそれぞれの温度を示します。
左:従来の 矢印右:低温 中央:中温 右:高温
マーク (上限110℃) (上限150℃) (上限200℃)
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・ドライクリーニングのマークについて
◯の中に“P”や“F”の英字が表記されていますが、これはクリーニング店に
「どのドライ溶剤が適しているのか」を指示するマークとなります。
消費者の皆さんにおいては、ドライクリーニングができるのかどうか?
という程度の認識で問題ないかと思います。
左:従来の 矢印右:パークロルエチレン 中央:石油系溶剤のみ 右:ドライクリーニング
マーク および石油系溶剤 不可
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・見慣れない【商業ウェットクリーニング】のマークについて
◯の中に“W”の英字が入ったマークが新たに追加されます。
これはクリーニング店で行う“ウェット処理”についてを指示するマークとなります。
つまり“家庭で水洗いができるという意味ではありません”のでご注意下さい。
表示の組み合わせとしては、
家庭での洗濯(水洗い)はできないが、クリーニング店でのウェット処理ができる |
今後はこのようなマークの組み合わせが増えてくると予想されますが、
ウェットクリーニングは高い技術が必要とされるので、ぜひ組合加盟店にご用命下さい。
※ウェットクリーニングとは?
本来、ドライクリーニングすべき衣類を水洗いするクリーニング方法です。
汗など水溶性の汚れを落とすのに効果的なので夏物衣料にお勧めです。
・衣類の購入時には必ず洗濯表示マークの確認を!
衣類は使い捨てない限り、購入後のメンテナンスが必要となります。
適切なケアのしかたを購入前に確認する事で不要なトラブルも防げます。
家庭で洗濯できる物なのか、クリーニング店でしか洗濯できない物なのか、
また商品によっては洗濯できない物もあるので、必ず確認をするようにしましょう。
・洗濯表示タグを切り取らないようにしましょう!
「邪魔だから切り取ってしまった...」
衣類を着用する際に洗濯表示のタグが気になるという方も多いと思いますが、
日本では洗濯表示タグを取り付ける事が法律で義務付けられています。
洗濯表示タグは衣類のカルテです。
万が一、商品に不具合などがあった場合の連絡先も記載されています。
切り取ってしまうとメーカーの保証を受けられない場合もあるので注意が必要です。
またクリーニング店でも衣類の組成を確認するために利用しています。
タグを切り取ってしまった衣類は、事故防止のためクリーニングをお受けできない
場合がございますので、ぜひ切り取る事のないようお願い申し上げます。
洗濯表示マークについてより詳しく知りたい方は消費者庁のホームページをご覧ください。
リーフレットをダウンロードして頂き、印刷して洗濯機の近くに置いておくと便利です。
☞リーフレットはこちらをクリック(PDF形式 506KB)
☞解説動画を見る場合はこちらをクリック